[孤島]
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
主人公は猫? ― 青山七恵 『ひとり日和』
『ひとり日和』を読む。
全体的に、巧くて、分かり易くて、(中年)男性のツボを押さえてる、という印象。
でもちょっと冗長だし、それにこの程度のストーリなら、もっと短くてもいいのではと思った。その方がもっとリズム感が良くなるし。

話はまず主人公が、東京の親戚のおばさん(吟子さん)の家に居候するところからはじまる。そしてまるで借りてきた猫みたいに、吟子さんや周囲の人物や状況をさめた目で観察する。そう、この主人公は(寓意的に)猫なのだ。そして作者の記述も猫的である。

猫はあまり社会的な動物じゃないので、どうも猫関係……じゃなかった、人間関係がしっくりといかない。世代の違う吟子さんに対しては、けっこう意地悪な目で見てる。恋人や同僚との親密な関係にたいしても違和感がある。
ふつうに発情するが、そのあたりはあっさりとした関係で、記述もさらりとしてる。
でも吟子さんや恋人に対しては、ときには「ナォ~」と甘えることもある。猫のようにツンデレ。猫のように気ままで、そして孤独。「都会のソリテュード」って、猫なんだから当たり前でしょ。それに猫は田舎でも孤独。
猫は猫が嫌い。だから吟子さんの二匹の家猫の描写はあまりない。そして猫だから盗癖がある。

たしかに、吟子さんの家が駅の隣という設定はいいと思う。
つまりこの小説は、吟子さんの家と隣接する駅と主人公の職場の駅という鉄道模型の箱庭を舞台とした、ある猫(的人間)のありふれた物語なのだ。
そこで、フリーターの野良猫がいいのかそれとも正社員の家猫がいいのかを問うたもの……かどうかは、分かりませんけど。


ひとり日和 ひとり日和
青山 七恵 (2007/02/16)
河出書房新社

この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

一原有徳展 ― 市立小樽美術館
小樽文学館・美術館小樽文学館・美術館
ichihara.jpg(写真上左) 市立小樽美術館/文学館
一原有徳さんは、昔はこの美術館/文学館の前身である小樽地方貯金局で働いていたそうで、これもなにかの縁。 ごく普通の建物に見えるそうだけど、それなりに由緒正しい建築なそうだ。
(写真上右) 市立小樽美術館/文学館の入口
ちなみに、街路樹はマロニエ(すずかけ)
(写真左) ポスター
一原有徳展は5月20日までやってます

先月のことだけど、小樽に行ったとき、小樽美術館で一原有徳展をやってたので、見てきた。
市立小樽美術館
http://www6.ocn.ne.jp/~otarubij/index.html

作品紹介 andanda
http://andanda.cool.ne.jp/librarygallery/2006/lg2006_04.html


明治生まれの小樽の版画家で、どちらかというと現代アートの作家に近い。
私のような語彙数の少ない人間には、一原作品をどう説明したらいいか分からないので、購入した図版「一原有徳/新世紀へ」(2001)の中から引用することに。
 一原は、「何を描いたか」というイメージを特定する鑑賞法に疑問を投げかけます。確かに異星の風景や金属の削り屑、水滴や岩肌など、さまざまなイメージを見る人に喚起させますが、一原には、あらかじめ具体的な対象を想定する意図はないようです。彼は「独創性」を第一とする版画家で、言葉では説明できない、この世にないものを見つけたいと考えているからです。

確かに言葉で言い表せない「何ものか」というのがあり、だからこそ視覚イメージというものがあるわけで。

ひとつだけ。
造形に、偶然のなせる技、つまり自然や神の振るサイコロを巧みに利用してる。決定論や予定調和ではなく、そしてそこには時間が介在してる。

一原さんは小説も書いてる。『クライン・ブルーの石』という創作(小説)集で、前半は幻想的な掌編。けっこう面白かった。
ストーリは何が起きるか分からない、それこそ偶然とも必然ともいえない非決定論な小説だ。まるで彼の版画の制作と似てる。あるいは彼は登山家なので(実際に遭難にもあってる)、山の天候の急転や悪戯にも似て。
知事選
選挙には行かなかった。どうせ決まってるしと思って。
うちの母に、誰に投票するのかと聞いたら、現知事の名前をあげたのだけど、どうやらその他の候補者の名前を知らないようだった。名前すら分かってないので、政党や主張やマニフェストなども知らない。
やっぱり知名度の高い低いというのは大きく影響する。現職知事は全員当選というし。
まめに投票に行くけれど、どの候補がいいのかあまり考えてない人というのはけっこう多いんだろうな。これからますますマニフェスト選挙になるというけど、どうなんだろう。

で、東京もやっぱり老害石原か。
ところで東京知事の石原慎太郎みたいに憎まれる人物は、そうはいない。もちろん自分がいろんなところでばら蒔いた種が結実したものだけど、あまりにもセンセーショナリズム・スキャンダラス・傲慢・攻撃的で、こういう人はあまりいい死に方できない。
ちなみに、美輪明宏によると石原慎太郎は魔界人だそうだ。(『人生賛歌』)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。