[孤島]
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『ザ・コーヴ(The Cove)』
東京や大阪で上映中止が相次いでいた「ザ・コーヴ(The Cove)」も、9日に東京都内のイベントホールで上映されたらしい。
でもこの映画、ごく短い間 Ustream にアップロードされていて、幸運にも見ることができた。(以下は、Twitterに書いたものをまとめたものです。)


ドキュメンタリーの文法として暴露戦術と啓蒙があると思う。「ザ・コーヴ」では、IWC(国際捕鯨委員会)での日本政府のあくどい手口や嘘、そしてなによりも隠蔽されたイルカ虐殺を暴露して、事実を知らなかった日本人や世界中の人々を啓蒙するというもの。
この映画は多くの日本人にとって、反感と賛同のアンビバレントな気分にさせられる。一部に反感だけの人もいるようだけど。

まず反感としては、何様モードで、野蛮な文明と知的な文明の対比に落し込められること。つまり、<野蛮(銛・恫喝)=イルカを殺す> vs <知的(ハイテク撮影機材・(偽)対話)=イルカを守る> という構図で、彼らの独善的な普遍的文明を強要されること。これはサウスパークも同様。それから警察での拷問も普通はありえない。

その他、イルカは日本の食文化だという主張もあるが、食文化なんて時代でコロコロ変わってきたし、固有の食文化なんてありえない。それもイルカを食べるのは一部のローカルな食文化であって、北海道でイルカ食う人間なんか見たことない。一地方の利権と、イルカ虐殺で不快感を覚えることや世界中で野蛮な日本人と言われることの損得はどうなっている?

隠し撮りをしたことに非難をする人がいるけど、じゃあ堂々と公開すればいいのに。それが出来ない時点で負けだと思う。

次に「ザ・コーヴ」に賛同する意見として、以前からイルカ虐殺は取り上げられてきたけど、それを広く知らしめ、カワイイくて知能が高い生物を殺していいのかという問題を提起したことがあげられる。

個人的にはイルカを殺すことに反対デス。犬や猫と同じ扱い。生命や生き物、特に知能の高い動物に対しては敬意を持つべき。

漁民の言う「アメリカでも牛を殺してるじゃないか?」というのは半分当たっているけど、「だから我々もイルカを殺す権利がある」というのは間違っている。映画を製作した人たちはきっと、牛は最初から肉用として誰かの所有として飼われており、誰のものでなく肉用として生まれたわけでもないイルカとは比較にならない、と言うだろうね。

両者(製作者と漁民)の考えを相対化するには、「一切衆生悉有仏性」(人間だけでなく山川草木や動物などすべてに仏性がある)を持ってくるのがいいのだけど、実際動物の肉を食っているし…。代わりにビオス(個々の生命)とゾーエ(ビオスが生まれる元もとになる生命一般)を使えばいいのかもしれない。
ちなみに、昔はクモや蛾など家で見つけたらすぐ殺していたけど、今は、刺す蚊を除いて、なるべく殺さないようにしている。本当は虫はきらいだけど。(こっちにはいないけど、ゴキブリは???分からない。)

それにしても、見てもいない映画にどうして反対するのかよく分からない。
上映中止を訴える団体は、まさに製作者がつくり上げた対立項の一方の側、つまり知的に劣る野蛮な側そのままのことをやっている。銛でなくて日の丸を持っているけど、何という滑稽さ。
でも実際にイルカは銛で刺され、悲鳴を上げ、血を流しているのだ。
妄想(日の丸イデオロギー)が感情(血も涙も)を抑圧する。


さて、「ザ・コーヴ」は札幌では7月下旬にキノで上映が予定されている。北大映研出身の劇場のオーナーはちゃんと上映すると思うけど、どうなるのかな。


『ザ・コーヴ』予告編
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