[孤島]
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主人公は猫? ― 青山七恵 『ひとり日和』
『ひとり日和』を読む。
全体的に、巧くて、分かり易くて、(中年)男性のツボを押さえてる、という印象。
でもちょっと冗長だし、それにこの程度のストーリなら、もっと短くてもいいのではと思った。その方がもっとリズム感が良くなるし。

話はまず主人公が、東京の親戚のおばさん(吟子さん)の家に居候するところからはじまる。そしてまるで借りてきた猫みたいに、吟子さんや周囲の人物や状況をさめた目で観察する。そう、この主人公は(寓意的に)猫なのだ。そして作者の記述も猫的である。

猫はあまり社会的な動物じゃないので、どうも猫関係……じゃなかった、人間関係がしっくりといかない。世代の違う吟子さんに対しては、けっこう意地悪な目で見てる。恋人や同僚との親密な関係にたいしても違和感がある。
ふつうに発情するが、そのあたりはあっさりとした関係で、記述もさらりとしてる。
でも吟子さんや恋人に対しては、ときには「ナォ~」と甘えることもある。猫のようにツンデレ。猫のように気ままで、そして孤独。「都会のソリテュード」って、猫なんだから当たり前でしょ。それに猫は田舎でも孤独。
猫は猫が嫌い。だから吟子さんの二匹の家猫の描写はあまりない。そして猫だから盗癖がある。

たしかに、吟子さんの家が駅の隣という設定はいいと思う。
つまりこの小説は、吟子さんの家と隣接する駅と主人公の職場の駅という鉄道模型の箱庭を舞台とした、ある猫(的人間)のありふれた物語なのだ。
そこで、フリーターの野良猫がいいのかそれとも正社員の家猫がいいのかを問うたもの……かどうかは、分かりませんけど。


ひとり日和 ひとり日和
青山 七恵 (2007/02/16)
河出書房新社

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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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